乳房再建

石田勝大

波田野智架

乳癌の⼿術により乳房を失った患者さんに対し、乳房再建⼿術がどれだけ精神的な負担を軽減し、より積極的に社会と関わっていくことを可能にできるかということを、私達形成外科医は常に考え、治療技術の進歩に務めています。乳房再建は形成外科における最も重要なテーマのひとつであり、乳腺外科と密接な連携をとりながら、⼿術を⾏います。健常側の乳房の形態に近い、理想的な輪郭とかたさの乳房を再建することが第1の⽬標ではありますが、同時に安全な⼿術⼿技により、組織採取部位の障害を最⼩限とし、再建された乳房に残る⼿術瘢痕を極⼒少なくすることを⽬指して、術式の改良を続けています。乳房再建⼿術は多くの経験を要し、決して単純・容易なものではありません。当科では症例を積み重ね、術後の経過観察と評価に基いて治療法を改善し、現在再建術式はほぼ完成されています。腫瘍切除後の乳房変形は、切除部位、切除量や患者さんの年齢、体格などにより異なるため、個々の症例で最もふさわしい術式を選択しています。週⼀回乳腺外科が主催するカンファレンスでmultidisciplinaryな検討を⾏い、その患者さんにとって最善の治療法と最善の再建術式を探る努⼒をしています。広背筋・腹直筋とその周囲組織を⽤いる⾃家組織による再建術(有茎⽪弁術・遊離⽪弁術・遊離穿通枝⽪弁術など)を、患者さんに⼗分な説明を⾏い、納得していただいたうえで、再建術式を最終決定します。なおシリコンインプラントによる再建は、インプラントの販売中止により、当面の間中止します。