​頭頸部再建

リーダー 石田勝大

頭頸部再建とは頭部・顔⾯から⾆、咽頭、喉頭、⾷道までの腫瘍切除、外傷後の⽋損に対して、さまざまな形成外科的⼿技を駆使して、失われた機能と形態を再建する⼿術です。対象となる疾患の多くは悪性腫瘍であり、⽿⿐咽喉科と合同で⼿術を⾏い、頭蓋底⼿術は脳神経外科と合同⼿術を⾏っています。⼿術の内容は、⽇本形成外科学会ホームページを御参照下さい。⾳声⾔語・摂⾷機能の保持、顔⾯整容の維持はもちろんのこと、組織採取部の障害を最⼩限にする努⼒を⾏っています。 東京慈恵会医科⼤学の附属病院と柏病院では多くの頭頸部再建⼿術を⼿掛けてまいりました。腫瘍切除後の即時再建のみならず、⼆次再建(残存変形、機能障害の改善)も⾏っています。特に上顎癌は腫瘍切除と同時に⾻付き⽪弁再建を積極的に⾏い、術後の顔⾯変形を極⼒起こさない⼯夫をしています。また顔⾯神経⿇痺においては、神経移植、筋⾁移植を⾏い早期の社会復帰を⽬指したリハビリテーションを⾏い、腫瘍切除後再建の患者さんでは嚥下、⾳声リハビリテーションなども同様に⾏っています。当院の⼤きな特徴は、従来であれば⼿術治療が⾏えなかった併存疾患(⼼筋梗塞、脳梗塞、腎不全など)のある患者さんに対し、各科との慎重な検討の上で⼿術治療が他の治療より優れていると判断した場合は、積極的にマイクロサージャリーを⽤いた遊離⽪弁を⾏っていることです。2014年度に頭頸部再建を⾏った症例は105例で、このうち併存疾患の保有率は50%でした。術後管理は、多くの科の協⼒を得て集学的治療を⾏い、合併症を減らす努⼒をしています。術後の創傷ケアは、最新の創部被覆療法を採⽤しています。術後合併症は⽪弁全壊死0.9%、部分壊死2%、創部感染は7%、縫合不全は6%でした(2014年度統計)。当院では積極的に患者さんの要望に応えて、残存変形に対する⼆次再建を⾏っています。⾃家組織(⾃分のからだの組織)移植だけでなく、必要に応じて⼈⼯⾻やプロテーゼなどの⼈⼯物による再建を選択し、術後のQOL(Quality of Life ⽣活の質)の向上と早期の社会復帰を⽬標に全⼒で治療に取り組んでいます。