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顔面神経麻痺

頭頸部再建 石田先生.jpg
レーザー治療 髙倉先生.jpg

高倉真由佳

石田勝大

顔面神経麻痺は、様々な原因で顔の表情を作り出せない病態です。ウイルスが原因の場合、多くの方は薬物療法などの保存療法によって治癒しますが、後遺症として顔のこわばりや、意図する動きに連動して他の部位が動いてしまう病的共同運動(麺をすすったり、あくびをすると目が閉じる、等)が生じることがあります。また、病態によっては生涯にわたって顔の表情が作り出せないこともあり、顔面神経麻痺は適切な時期に、適切な治療を選択することが最も重要とされています。当科では、以下のような治療方針で顔面神経麻痺の治療を行っています。

 

・急性期〜亜急性期

Bell麻痺やRumsey-Hunt症候群といったウイルスが原因の場合は、耳鼻咽喉科の治療と平行して、当科でマッサージやリハビリテーションの指導を行います。さらに顔面の誘発筋電図検査の結果で重症と診断された方や、顔の動きの戻りが悪い方には、場合により早期の神経再建を行います。また耳下腺腫瘍や聴神経腫瘍等の手術で顔面神経の合併切除が予定される場合には同時再建を行い、早期リハビリテーションを取り入れています。

 

・慢性期

顔面神経麻痺の後遺症である顔のこわばりや、病的共同運動のある方には発症後1年を目処にボツリヌストキシン注射(ボトックス®︎)を併用したリハビリテーションを行います。近年の研究では、病的共同運動に対してボツリヌストキシン注射を併用したリハビリテーションの方が、リハビリテーション単独の場合よりも症状改善に効果があることがわかってきました。当院でも同方法を積極的に取り入れ、良好な改善結果を得ています。

顔面神経麻痺発症から時間が経ち、顔面の表情筋の萎縮が考えられる場合は、動的神経再建術を行います。また、眉毛や上眼瞼の下垂、兎眼や下眼瞼の外反、口周囲の左右非対称に対する静的再建術も症状に合わせて行っています。

 

その他、外傷性や先天性顔面神経麻痺の治療も行っております。

当科では治療からリハビリテーションまで一貫して診療しておりますので、顔面神経麻痺でお困りの方は当科外来までお問い合わせ下さい。

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